切り金(読み)きりがね

精選版 日本国語大辞典 「切り金」の意味・読み・例文・類語

きり‐がね【切金・截金】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 金、銀などの薄板を蒔絵(まきえ)の中にはめこむこと。また、その薄板。
    1. [初出の実例]「金のきりかねをひたと細かにふせて、蛮絵の、内は沃懸地(いかけぢ)にて、杏葉を貝に摺る」(出典:竹むきが記(1349)上)
  3. ( 截金 ) 主として、仏画や仏像の彩色に用いる一技法。また、その技法で描かれたもの。金、銀などの箔を細い線状や、さまざまな形の小片に切ってはりつける技法で、奈良時代に唐から伝えられ、平安時代から鎌倉時代にかけて盛んに行なわれた。切金彩色。
  4. 江戸時代の訴訟で用いられた語。借金や売掛けなどの訴訟で敗訴した債務者が、分割にして弁済した金。また、その手続。一定日限内に少しでも弁済すれば、あとは毎月二回、少しずつの分割弁済をすることが許された。
    1. [初出の実例]「何とて日延べがなりませう。切り金の日延べ見るやうに、そんなことが、どう禁廷へ申し上げられませう」(出典:歌舞伎・毛抜(日本古典全書所収)(1742))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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