切溜(読み)きりだめ

精選版 日本国語大辞典 「切溜」の意味・読み・例文・類語

きり‐だめ【切溜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 薄く漆塗りにした木製の箱。重箱に似て、ふたのある入れ子造りになっている。切った野菜や煮物、またはその材料などを入れるために用いる。
    1. [初出の実例]「切溜も庖丁も申付置候」(出典:島崎金次郎宛大田南畝書簡‐享和二年(1802)二月一二日)
  3. 奉公人食器を入れておく箱。食事時には、そのふたを膳として用いた。箱膳(はこぜん)
    1. [初出の実例]「ごたつく勝手狭い切溜」(出典:雑俳・歌羅衣(1834‐44)二)
  4. 切り取った草木の枝、花などを水揚げすること。また、そうしておく手桶。花桶。
    1. [初出の実例]「空はかすみのけふる大筒〈益翁〉 一むらの竹もなひきて剪ために〈夕烏〉」(出典:俳諧・大坂檀林桜千句(1678)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android