刑部梨地(読み)ぎょうぶなしじ

精選版 日本国語大辞典 「刑部梨地」の意味・読み・例文・類語

ぎょうぶ‐なしじギャウブなしヂ【刑部梨地】

  1. 〘 名詞 〙 蒔絵(まきえ)一種。江戸中期の人、刑部太郎創案という。漆の塗面金箔を置いて漆を塗り、その上に刑部梨地粉といわれる不整形、大粒の金銀粉末を一片ずつ間隙なく置き、数回梨地漆をかけて研ぎ出したもの。
    1. [初出の実例]「刑部梨地の印籠に」(出典:仮名草子・薬師通夜物語(福斎物語)(1643頃))

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世界大百科事典(旧版)内の刑部梨地の言及

【梨地】より

…梨地の手法は漆塗の上に梨地粉を蒔き,漆を塗ってかわかしたのち,粉が露出しない程度に木炭でといで仕上げるのであるが,粉の蒔き方で淡蒔(うすまき),中蒔,濃蒔,斑(まだら)梨地,雲梨地,清梨地などができる。また,平目粉をまず蒔いたのち梨地粉を蒔いた鹿の子梨地,金箔を置いた上に刑部(ぎようぶ)梨地粉(不整形な大きめの梨地粉)を一粒ずつすきまなく置いた刑部梨地と呼ぶものもある。梨地はふつう地蒔(じまき)に用いるが,文様中に部分的に応用して装飾効果をあげることが安土桃山時代に流行した。…

※「刑部梨地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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