判語(読み)はんご(その他表記)pan yu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「判語」の意味・わかりやすい解説

判語
はんご
pan yu

中国旧時の判決文集。知府などが在任中に書き与えた判決文の集録。旧中国において広い意味の判例集は大別して2種類ある。一つは「刑案」の類で,他の一つが判語である。判語刊行の主目的は文章としての作品価値を伝えるためにあり,判例の推移を論じうる資料ではない。しかし,内容は刑事だけでなく,民事や行政にわたる案件を豊富に含み,かつ,各地方の庶民の生活や,社会の具体的問題を如実に反映するところも多い。特に清代の判語が多く伝存され,李之芳『棘聴草』 (20巻) ,李鈞『判語録存』 (4巻) ,沈衍慶『槐卿政蹟』 (6巻) が有名である。

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普及版 字通 「判語」の読み・字形・画数・意味

【判語】はんご

判決の文。

字通「判」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の判語の言及

【裁判】より

…獄において行うのは事実審理だけであり,それが終われば書類が知州の下なる司法参軍の法司にまわされる。法司には法律専門の胥吏がおり,問題とする事犯に適用すべき法律の条項を,律勅令格式の中から検出し,1字も省略することなく原文を列挙して提出し,これに基づいて判官,推官が原案を作成して知州に呈し,知州が最終的に判決を下すが,その判決文を判,または判語といい,この際優雅な名調子を用いて判語を作成するのが,科挙出身の文官たる知州の腕の見せどころであった。古来名士の文集中に判が含まれ,法制史の上に有益な資料を提供する。…

※「判語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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