犯罪と刑罰に関する法規、手続、制度などに冠することばで、民事の対語。一般に、刑事事件、刑事責任、刑事警察などのように用いられる。また、刑事警察を任務とする警察官のうち、私服の捜査員の通称としても用いられ、そのうち巡査を刑事(デカ)、巡査部長を部長刑事(デカ長)などという。ほかに、覚醒(かくせい)剤や少年犯罪を担当する保安部門などにも私服で勤務する捜査員がいる。
刑事捜査官は、警察学校を卒業して第一線の警察署で実務経験を積んだ者のなかから、資質・能力の優れた者を選考し、府県警察学校・管区警察学校で教育訓練を受ける。刑事は通常2人1組で捜査活動を行うが、犯罪の内容により、殺人・強盗事件を担当する強行犯係、泥棒・すりを捜査する盗犯係、詐欺・汚職事件捜査を行う知能犯係、人質・誘拐事件担当の特殊犯係などに分けられる。このほか、犯罪の広域化、スピード化に対処するため、1962年(昭和37)以降、全国に機動捜査隊が設けられ、犯罪発生時に機動力を駆使した初動捜査を行っている。
[廣畑史朗]
私服で刑事事件の捜査を専門に行う刑事捜査官の通称。第一線の実務経験ある巡査から選抜される。捜査活動においては,警部あるいは警部補を長とする班が編成され,刑事が2人1組で行動するのがふつうである。刑事の質的向上を図るため,管区警察学校が中堅捜査幹部の教育訓練を行っている。ほかに,捜査の機動力強化のための機動捜査隊もある。
執筆者:神長 勲
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