新訂 政治家人名事典 明治~昭和 「前島 密」の解説
前島 密
マエジマ ヒソカ
- 肩書
- 貴院議員(勅選),逓信次官,北越鉄道社長
- 旧名・旧姓
- 旧姓=上野
- 別名
- 幼名=房五郎
- 生年月日
- 天保6年1月7日(1835年)
- 出生地
- 越後国頸城郡下池部村(新潟県上越市)
- 経歴
- 越後の豪農・上野家に生まれる。弘化4年江戸に出て医学を修め、のち幕府の箱館諸術調所で洋学を学ぶ。慶応2年幕吏前島錠次郎の家を継ぐ。明治2年民部、大蔵の両省に出仕、3年駅逓権頭兼租税権頭。飛脚に代わる郵便制度調査のため渡欧、4年帰国し、国営による全国均一料金の近代的郵便制度の確立に尽くした。“郵便”“切手”などの名称も考案。また、電話官業を制定するなど功多く、次いで内務少輔、同大輔、駅逓総官、勧業局長、元老院議官などを歴任。大隈重信と親交があり、“明治14年の政変”で大隈と共に辞職し、立憲改進党に参加。19年東京専門学校長、21年逓信次官をつとめたが、実業界に入り、北越鉄道、東館汽船、石狩石炭、日清生命保険など各社の重役に就任した。35年男爵に叙せられ、38年勅選貴院議員。国字改良論者としても有名で、晩年文部省の国語調査会委員になった。
- 没年月日
- 大正8年4月27日
出典 日外アソシエーツ「新訂 政治家人名事典 明治~昭和」(2003年刊)新訂 政治家人名事典 明治~昭和について 情報