前津小林村
まえづこばやしむら
[現在地名]中区千代田・橘・上前津・大須・富士見町・栄・新栄
東は古井村(現千種区・東区)・御器所村(現昭和区)、南は古渡村、西・北は城下に接する。前津の名称は、古渡付近まで熱田の海が湾入していた頃の舟着場「前の津」に由来するとも、海辺の舞鶴からきたともいう(金鱗九十九之塵)。織田信雄分限帳に「土方彦左衛門(中略)五百卅八貫 前津小林」とみえる。「寛文覚書」によれば概高一千五一四石余。田畑は七五町三反余のうち田が三六町四反余。万治年間(一六五八―六一)の城下絵図(名古屋城蔵)には村の南方は万松寺・矢場地蔵などがわずかに描かれるのみ。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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