剥物(読み)むきもの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「剥物」の意味・わかりやすい解説

剥物
むきもの

いも、ダイコン、ニンジンなどを材料として、魚貝類、果実、鶴亀(つるかめ)などをつくりあげる彫刻技術、またはその造形物。古来、食器として草木の葉、針葉植物の枝などを用いていたが、平安時代から折敷(おしき)という平膳(ひらぜん)が食器として用いられるようになると、以前食器として用いた葉や枝を飾りとして折敷の上に移した。これがしだいに技芸的になり、剥物へと発達した。剥物は江戸後期から技術が著しく向上し、大型の盆景的なものから、山水などの風景、宝舟、五重塔などの建造物もつくられる。氷を用いても同様なものができるが、これは氷細工、氷芸術などといわれている。剥物精覚流・島根長(1982没)は古今の名人といわれた。

[多田鉄之助]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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