副生硫安(読み)ふくせいりゅうあん(その他表記)by-product ammonium sulfate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「副生硫安」の意味・わかりやすい解説

副生硫安
ふくせいりゅうあん
by-product ammonium sulfate

主として石炭乾留によって,ガスまたはコークスを製造する際の副産物として得られる硫安。石炭は1~2%の窒素を含み,これを乾留してできるガスを洗浄した水 (ガス液) には2~3%のアンモニアが含まれている。このガス液に石灰乳を加えて蒸留し,留出させたアンモニアを硫酸に吸収させると硫安が析出する。日本における生産量回収硫安に次いで多い。おもに肥料用として用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の副生硫安の言及

【硫酸アンモニウム】より

…しかし硫酸根を含むため土壌の酸性化をもたらす欠点があり,また硫酸資源の適正利用という観点からも,尿素に比べて傍流的存在となっている。製法自体も他工業プロセス中に組み込まれ,その中での副生物,回収物として採取され,副生硫安,回収硫安と称して利用されているのが現況である。肥料公定規格ではアンモニア性窒素20.5%を保証する。…

※「副生硫安」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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