ガス液(読み)ガスエキ(英語表記)gas liquor

デジタル大辞泉 「ガス液」の意味・読み・例文・類語

ガス‐えき【ガス液】

石炭乾留のときに生じるガスを水で冷却凝縮するとできる液体。数パーセントのアンモニアを含むので、硫安原料にする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ガス液」の意味・読み・例文・類語

ガス‐えき【ガス液】

  1. 〘 名詞 〙 石炭乾留ガスを冷却、凝縮した時にできる水溶液。アンモニアの原料として用いられるほか微量に含まれるゲルマニウムフェノールピリジンなどを回収することもある。アンモニア液。〔稿本化学語彙(1900)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ガス液」の意味・わかりやすい解説

ガス液 (ガスえき)
gas liquor

石炭を乾留するときに発生するガスを冷却して得られる水溶液。石炭中に含まれる水分酸素化合物が熱分解して生じた水分が凝縮したもので,この中には石炭中の窒素化合物が分解して生じたアンモニアやアンモニウム塩のほか,少量のフェノールやピリジンなどの有機化合物が含まれる。アンモニアは硫安(硫酸アンモニウム)として回収される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ガス液」の意味・わかりやすい解説

ガス液【ガスえき】

石炭乾留の際発生するガスを水で洗浄,冷却して得られる水溶液。アンモニアとその塩類石炭酸,ピリジンなどが含まれる。ガス液に水蒸気を加えて熱するとアンモニアはガスとして回収される。また,ベンゾールなどで洗浄して石炭酸を回収する。回収したアンモニアからは硫安が製造される。そのほかガス液はピリジン,ゲルマニウムなどの回収原料としても利用される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android