劇症肝炎に似ている病気と合併症

六訂版 家庭医学大全科 の解説

劇症肝炎に似ている病気と合併症
(肝臓・胆嚢・膵臓の病気)

 劇症肝炎は、劇症肝不全(げきしょうかんふぜん)(または急性肝不全(きゅうせいかんふぜん))のなかに含まれるひとつの病気です。

 日本では、これまでウイルス薬剤が原因で急性肝不全を起こす肝炎を劇症肝炎と呼んできました。しかし、欧米ではこれらの原因以外のものも含めて劇症肝不全と呼ぶのが一般的です。

 原因となるものは、循環不全によるもの(うっ血性心不全、虚血(きょけつ))、妊娠性、代謝性(ウィルソン病)、血液疾患(白血病および悪性リンパ腫による腫瘍細胞の肝内浸潤(かんないしんじゅん))など多岐にわたります。肝不全という言葉は、通常、意識障害を伴う場合に使用されます。

 劇症肝不全の時の重い合併症には、脳浮腫、消化管出血を含む全身の出血傾向(これらは播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)DIC]によることが多い)、腎不全、感染症があり、これらを合併し、合併数が多くなるほど救命率は低下します。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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