劔御前(読み)つるぎごぜん

日本歴史地名大系 「劔御前」の解説

劔御前
つるぎごぜん

劔岳の南稜の一角立山町と上市かみいち町との境にそびえる。標高二七七六・六メートル。現在は劔岳の前山の意で劔御前あるいは劔御前山とよんでいるが、この呼称は本来劔岳そのものに対する尊称であった。高野直重が著した寛文一二年(一六七二)の「和歌名所追考」には「胎蔵界、金剛界両部の山とて、立山、劔御前と二尊たり」と記し、その付載絵図にも立山と劔御前を並べて描く。ほかにも立山御前・劔御前を並べて描いた図があり、劔御前とは明らかに劔岳を敬った呼び方であった。修験者が当峰を劔岳遥拝の場所としていたため、いつの間にか劔御前と称されるようになったのであろう。なお普通ツルギゴゼンと称するが、ガを挿入して劔ヶ御前ともよび、それが縮まってツルガゴゼンとも称されたため、誤って鶴ヶ御前と優美に表記した例もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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