国指定史跡ガイド 「加茂真淵墓」の解説
かものまぶちのはか【加茂真淵墓】
東京都品川区北品川にある江戸時代の国学者の墓。東海寺大山墓地に所在し、墓域は石垣で仕切られており、墓石は自然石を数個ならべた上に一回り大きい楕円の自然石をのせている。墓の前には左側に「加茂縣主大人墓」、右側に「贈従三位加茂真淵卿之墓」と記した碑が建てられており、1926年(大正15)に国の史跡に指定された。加茂(賀茂)真淵は、1697年(元禄10)、遠江国(とおとうみのくに)に生まれ、京都に上って荷田春満(かだのあずままろ)の門に入ったが、師の死にあって国元に帰り、1743年(寛保3)に江戸へ出て多くの門人を育成。その後、田安宗武(たやすむねたけ)に仕え『五意考』をはじめ数多くの著書を刊行した。契沖(けいちゅう)・春満の学風をうけた万葉学者でもあり、『万葉集』をもとにして古代精神の解明に一生を費やし、1769年(明和6)に死去した。京浜急行電鉄新馬場駅から徒歩約8分。