朝日日本歴史人物事典 「加藤助三郎」の解説
加藤助三郎
生年:安政3(1856)
明治期の美濃(岐阜県)の陶業家。明治5(1872)年,16歳で東京に陶器舗を開店。13年帰郷し,濃栄社を設立。のち満留寿商会と号し,国内のほかシンガポールなどへ販路を拡張した。25年東京陶器問屋組合頭取となり,鉄道利用による廉価な輸送を実現させた。また卸売の中間利潤を排し適正価格で流通させるため,『陶磁器相場報告』『陶器商報』などを創刊し,陶磁器の製造技術や商法の改善に貢献した。31年岐阜県陶磁業組合長となり,訪中視察し,アジア,アフリカへの直輸出を推進させた。郡立陶器学校の設立など,陶業技術者の育成にも力を尽くした。
(山形万里子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報