勧善文(読み)かんぜんぶん(その他表記)quàn shàn wén

改訂新版 世界大百科事典 「勧善文」の意味・わかりやすい解説

勧善文 (かんぜんぶん)
quàn shàn wén

8世紀後半から10世紀前半(中唐~五代)に僧侶が民衆教化のために作り,かつうたって聞かせた歌曲。20世紀の初め敦煌から発見された写本の中に多く見いだされる。長短さまざまあり,内容は因果応報の理をわかりやすく説いて殺生や貪欲を戒め,悪業の報いとしての地獄での責め苦などを並べたてる。俗字俗語をたくさん用い,底辺の階層の人々に訴えかける調子のなまなましさが特徴的である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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