北坂梨村(読み)きたさかなしむら

日本歴史地名大系 「北坂梨村」の解説

北坂梨村
きたさかなしむら

[現在地名]一の宮町北坂梨

阿蘇谷東部に位置し、集落は阿蘇外輪山麓に立地する。東は小地野しようちの(現波野村)、西は宮地みやじ村、南は坂梨村、北は野中のなか村と接する。地元では「きたざかなし」と発音する。中世は北坂梨郷と記され、阿蘇谷の東郷の小郷で、北坂梨子とも記す。徳治二年(一三〇七)八月日の阿蘇社長寿丸供僧免田屋敷坪付注文(阿蘇家文書)には、青龍しようりゆう寺の供僧坊長寿丸の免田として「一所二反 三宮上草北坂梨子郷」とみえる。元徳元年(一三二九)から始まる阿蘇社造営に際して料木などを負担している(同二年一月一四日「阿蘇社造営料木第三箇度切符写」同文書)

寛正三年(一四六二)書写になる建武三年(一三三六)三月一一日の阿蘇社領郷村注文写(阿蘇家文書)には権大宮司が郷沙汰人である東郷中の小郷として「一所三十町今ハ二十五町 北坂梨郷」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android