北山時雨(読み)キタヤマシグレ

デジタル大辞泉 「北山時雨」の意味・読み・例文・類語

きたやま‐しぐれ【北山時雨】

京都北山の方から降り渡る時雨
北山3㋐」に同じ。
あいつおれには―だよ」〈滑・浮世床・二〉
北山3㋒」に同じ。
「どうやら腹も―」〈滑・旧観帖・初〉

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精選版 日本国語大辞典 「北山時雨」の意味・読み・例文・類語

きたやま‐しぐれ【北山時雨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 北方の山から降ってくるしぐれ。特に、京都の北山のあたりから降り渡るしぐれ。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「ぬれじとて笠をきた山時雨哉〈幸和〉」(出典:俳諧・誹諧発句帳(1633)冬)
  3. 「北」に「来た」をかけていうしゃれ。
    1. (イ) こちらの思惑どおりになっていくこと。
      1. [初出の実例]「そりゃそろそろと、きた山しぐれのあいつが在所を尋るは」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)四)
    2. (ロ) 気があること。
      1. [初出の実例]「あいつおれにはきた山時雨(シグレ)だよなどとはりかけるのさ」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)二)
    3. (ハ) 空腹を催すこと。
      1. [初出の実例]「成る程、腹の加減も北山時雨(キタヤマシグレ)、ちょっと一杯茶漬と出かけよう」(出典:歌舞伎・傾情吾嬬鑑(1788)大詰)
  4. きまぐれ。
    1. [初出の実例]「北山時雨(シグ)れで・誉められ跡との剛わい嫁」(出典:雑俳・腕くらべ(1826))

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