日本歴史地名大系 の解説
北海道史蹟名勝天然紀念物調査報告書
ほつかいどうしせきめいしようてんねんきねんぶつちようさほうこくしよ
一冊 北海道庁 大正一三年刊
解説 大正一〇年以降行われた史蹟・名勝・天然紀念物調査の報告書。大正八年の「史蹟名勝天然紀念物保存法」成立を機に大正一〇年度から調査事業開始。調査の中心は、同年調査委員の嘱託となり調査書の大部分を執筆した河野常吉であった。調査は種類・名称・所在地・地目・地積・所有者・管理者・工作物其他・現状・由来伝説・徴証物件・保存条件などにわたって実施。対象の史蹟は全体で九三件、うち函館・松前など道南地方が圧倒的で七五件。名勝は八件、天然紀念物は一一件。保存の可否についての意見もある。末尾に雑の部五件があり、そこに河野の「有珠湾、有珠岳、洞爺湖ヲ史蹟名勝天然紀念物保存法により保存するの議」があり、この範囲の中に有珠のチャシや善光寺もあり、上記三者を連結して保存すべしという。付録に写真一五〇点を掲載。参照論文「有珠岳の噴火」(河野の札幌博物学会報告)六頁を付す。昭和四九年復刻。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報