医療人類学(読み)いりょうじんるいがく(その他表記)medical anthropology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「医療人類学」の意味・わかりやすい解説

医療人類学
いりょうじんるいがく
medical anthropology

ある社会・集団における伝統的な疾病観念や治療行為を調査研究する人類学の一分野。 1950年代からアメリカを中心に,いわゆる開発途上国の保健医療政策のなかで始り,70年代に入ってから,それまでの現地調査によって得られた資料を利用するだけでなく,ある社会における病気や健康に関する観念・行為と信仰・認識体系との関連や,病人および治療者の社会的・文化的位置づけなどを考察する本格的な研究へと発展した。その背景には,象徴人類学の影響下に病気の概念が注目を集めたことや,西欧近代医学限界とその反省から,非西欧的な医療についての知識・技術について関心が高まったことなどがあげられる。また,医療人類学には医学,看護学,保健衛生学などからのアプローチによって,社会環境と人間の生物学的状態との関連を考察する形質人類学的な方法もあり,応用人類学としての傾向も強い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

顔や四肢に特有の紅斑がみられる疾患で,伝染性紅斑の俗称。パルボウイルスの感染によって年長幼児,低学年児童に好発し,乳児や成人には少ない。1〜2週間の潜伏期ののち突然発疹が出る。発疹は両ほおに対称的に生...

リンゴ病の用語解説を読む