十二類絵巻(読み)じゅうにるいえまき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「十二類絵巻」の意味・わかりやすい解説

十二類絵巻
じゅうにるいえまき

絵巻。3巻。重要文化財。堂本家蔵。室町時代(15世紀)の制作で、御伽草子(おとぎぞうし)類絵巻の一種。十二支の鳥獣たちがシカを判者(はんじゃ)に頼んで和歌の会を催すが、タヌキは疎外されたのでこれをうらみ、稲荷(いなり)山のキツネ、熊野山のクマ、愛宕(あたご)山のカラスなどの仲間と組んで夜討ちをかける。しかし逆襲にあってタヌキは敗戦し、三井寺で出家し仏門に入るという筋を擬人化して描いている。各巻とも同一の筆法ではなく、詞書(ことばがき)を上巻は後崇光院(ごすこういん)、下巻は青蓮院(しょうれんいん)尊道法親王、絵は土佐行広(ゆきひろ)と伝えている。

[村重 寧]

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