十二類絵巻(読み)じゅうにるいえまき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「十二類絵巻」の意味・わかりやすい解説

十二類絵巻
じゅうにるいえまき

絵巻。3巻。重要文化財。堂本家蔵。室町時代(15世紀)の制作で、御伽草子(おとぎぞうし)類絵巻の一種。十二支の鳥獣たちがシカを判者(はんじゃ)に頼んで和歌の会を催すが、タヌキは疎外されたのでこれをうらみ、稲荷(いなり)山のキツネ、熊野山のクマ、愛宕(あたご)山のカラスなどの仲間と組んで夜討ちをかける。しかし逆襲にあってタヌキは敗戦し、三井寺で出家し仏門に入るという筋を擬人化して描いている。各巻とも同一の筆法ではなく、詞書(ことばがき)を上巻は後崇光院(ごすこういん)、下巻は青蓮院(しょうれんいん)尊道法親王、絵は土佐行広(ゆきひろ)と伝えている。

[村重 寧]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む