十悪業道(読み)じゅうあくごうどう(その他表記)dása akuśalāḥ karmapattāh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十悪業道」の意味・わかりやすい解説

十悪業道
じゅうあくごうどう
dása akuśalāḥ karmapattāh

身体動作 (身) と言語表現 (口) と心理作用 (意) とがつくりだす悪しき行為を,それぞれ3種,4種,3種,計 10種に細分したもの。 (1) 殺生,(2) 盗み,(3) 邪淫,(4) いつわり (妄語) ,(5) 中傷 (両舌) ,(6) ののしり (悪口) ,(7) ざれ口 (綺語) ,(8) 貪り,(9) 怒り,(10) 誤った考え (邪見) の 10種。 (1) ~ (3) が身体動作に関するもの,(4) ~ (7) が言語表現に関するもの,(8) ~ (10) が心理作用に関するもの。 (8) ~ (10) は,(1) ~ (7) の動機となるものであるが,仏教では,直接行為として現れなくても,罪悪になる点で独立の行為と考えた。しかし,この点については仏教思想史上にも異説がある。

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