日本の城がわかる事典 「十神山城」の解説 とかみやまじょう【十神山城】 島根県安来市安来町にあった山城(やまじろ)。戦国時代は月山富田城(がっさんとだじょう)の支城、尼子十砦の一つ。中海に突き出した標高92mの十神山に築かれており、築城の年代は定かではないが、室町時代に松田氏が居城していた。松田氏は1468年(応仁2)に尼子(あまご)打倒をこころみ、月山富田城に迫ったが、尼子清定(きよさだ)に攻められ落城した。尼子氏の支配下では月山富田城の支城、尼子十砦の一つとなり、中海の制海権を握る要衝の地であった。1566年(永禄9)、毛利元就(もうりもとなり)による尼子攻めで、毛利の武将児島就忠(こじまなりただ)に攻められ落城。十神山城の落城は、海上輸送による月山富田城への兵糧搬入の路を断つことになり、尼子氏滅亡を早めた。山頂部に曲輪(くるわ)、土塁、空堀などの遺構が残っている。現在、十神山は公園化され、遊歩道が頂上まで整備されている。JR山陰本線安来駅から徒歩10分。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報