千本山(読み)せんぼんやま

日本歴史地名大系 「千本山」の解説

千本山
せんぼんやま

[現在地名]馬路村魚梁瀬

奈半利なはり川の源流西にし川の最上流の地にあり、標高一〇八四・四メートル。温暖多雨で、年平均気温一四度内外という気候で杉の生育に最も適し、杉の美林は日本三大美林の一に数えられる。元禄三年(一六九〇)三月、土佐藩は大定目を制定するが、そのなかに「山林大定目」があり、魚梁瀬やなせ山は「名上」と格付けられ、土佐一〇宝山のなかの随一と称された。藩はこれを保護するためとくに下山改役二名を置き、別に内山廻り役を置くなど山林の保護に当たらせていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の千本山の言及

【魚梁瀬】より

奈半利(なはり)川上流域は年間4000mm近い降水量と温暖な気候に恵まれ,古くから〈魚梁瀬杉〉と呼ばれる形質優良な杉の自生地として知られ,江戸時代には土佐藩は御留山として保護・統制を加えた。とくに集落北方約10kmにある千本山(1084m)は土佐十宝山の随一と称された。樹齢200年以上,樹高平均40mに達する天然杉が生育し,仰ぎ見たきこりがあまりの高さに鉢巻を落としたという〈鉢巻落し〉や夫婦杉などがある。…

※「千本山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android