半導体ガスセンサー(読み)はんどうたいがすせんさー

日本大百科全書(ニッポニカ)「半導体ガスセンサー」の解説

半導体ガスセンサー
はんどうたいがすせんさー

酸化物半導体を用いてガスの検出を行うもの。酸化物半導体が、ある種のガスに触れると伝導度が変化することを利用している。この素子は、300℃以上に加熱して用いることが多いので、電極とヒーターとを組み込んで、薄膜型、厚膜型、焼結型など、各種の構造とする。感度をよくして加熱電力をできるだけ少なくするには、ガス分子を吸着しやすいように表面積を大きくし、しかも素子全体を小さくする必要がある。半導体材料は検出ガスによっていろいろあるが、酸化スズ、酸化亜鉛系がもっともよく研究され、実用化されている。構造としては、半導体にパラジウムを蒸着してダイオードをつくり、整流特性の変化を利用するものや、パラジウムをゲート金属(制御電極)としてMOS(モス)トランジスタをつくり、ゲート作用の変化を利用するものもある。ガス検出機構として、(1)電子供与性、または電子受容性ガスが半導体表面に化学吸着すると、吸着分子から半導体への電子の授受がおこり、半導体中のキャリア(電荷担体)密度が変化して表面伝導度が変化するもの、(2)金属酸化物半導体が還元ガスで還元され、組成変化をおこして伝導度が変化するもの、(3)半導体内の接触界面、およびパラジウム、白金などの触媒金属との接触面の電位障壁の高さがガス相との反応で変化するもの、(4)表面に吸着したガス分子と酸素分子の接触燃焼によって、素子温度が上昇して伝導度が変化するもの、などがあるが、不明な点も多い。

 半導体ガスセンサーは、小型・安価で感度が高く、応答が速いうえ電気信号としてガス濃度が取り出せるなどの利点があり、ガス漏れ警報器、火災警報器や、アルコール検出器、エンジン燃焼ガス検知などに使われている。

[右高正俊]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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