南島雑話(読み)なんとうざつわ

日本歴史地名大系 「南島雑話」の解説

南島雑話
なんとうざつわ

名越左源太時敏著

解説 名越が奄美事情について詳細に記した書。本編ほか付録を収める。名越は薩摩鹿児島藩の城下士で、一八五〇―五五年奄美に遠島となっていた。その間の見聞をまとめたもので、琉球を知るうえでも参考となる。近年研究では付録は伊藤助左衛門の「南島雑録」を名越が写したものという。

活字本 日本庶民生活史料集成一・同二〇(補遺編)東洋文庫など


南島雑話
なんとうざつわ

名越左源太時敏著

解説 嘉永朋党事件に連座して大島遠島に処せられた名越左源太が、自己の見聞などを詳細に記録し、大島の事物を項目ごとにまとめたもの。写生画も付されている。左源太の大島在島は嘉永三年から安政二年。

活字本 日本庶民生活史料集成一・同二〇(補遺編)、東洋文庫など

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の南島雑話の言及

【大島紬】より

…大島で織られた絣の紬織物は黒砂糖とともに,薩摩藩の献上品,交易品として藩の重要な財源であった。1850‐55年(嘉永3‐安政2)までの見聞に基づいて書かれた名越佐源太の《南島雑話》には,当時の紬の様子や絣の手括(てくく)り作業や泥染の工程などが図入りで説明されている。しかしこの大島紬が商品として生産され,一般に広く知られるようになったのは明治になってからである。…

※「南島雑話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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