写生画(読み)シャセイガ

デジタル大辞泉 「写生画」の意味・読み・例文・類語

しゃせい‐が〔‐グワ〕【写生画】

目前実物実景を写生した絵。スケッチ

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精選版 日本国語大辞典 「写生画」の意味・読み・例文・類語

しゃせい‐が‥グヮ【写生画】

  1. 〘 名詞 〙 写生した絵画。直接実物や実景を見てうつした絵。スケッチ。
    1. [初出の実例]「写生画(シャセイグヮ)やら粉本画やらの巻物を」(出典:初すがた(1900)〈小杉天外〉七)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「写生画」の解説

写生画
しゃせいが

実物や実景を直接写した絵。日本では,物に即して形を写す写生行為そのものは,画家の意識の有無にかかわらず古くからあったが,とくに重要視されるようになるのは江戸時代円山応挙(まるやまおうきょ)からで,花鳥図を中心に多くの写生帖が残る。それらは写生風の絵画を描くための下地であったが,それ自体がすぐれた芸術作品である。幕末期には多くの画家が,従来の真景図(しんけいず)とも異なる写生画を描くに至る。

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世界大百科事典(旧版)内の写生画の言及

【江戸時代美術】より

…後期の美術を主導した民間の絵画の分野では,前述の外来絵画の刺激のもと,宝暦~天明(1751‐89)のころ京都画壇において従来の面目を一新するような新しい動きがあらわれる。池大雅,与謝蕪村らによる南画(文人画),円山応挙による写生画,伊藤若冲,曾我蕭白らによる奇想画がそれである。南画は,中国の文人画の脱俗の理念や南宗画の山水画法とをよりどころにした中国趣味の強い主観主義的画風であり,写生画は,中国,ヨーロッパの写実手法と日本の伝統的な装飾画法の折衷による客観主義的描写であり,奇想画は新奇な個性的表現をねらうなど,それぞれ傾向,主張を異にしながらも経験主義,自我意識の目ざめといった時代の思想傾向を共通の背景としている。…

※「写生画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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