南洋神社(読み)なんようじんじゃ

改訂新版 世界大百科事典 「南洋神社」の意味・わかりやすい解説

南洋神社 (なんようじんじゃ)

ミクロネシアパラオ諸島コロール島に日本が建てた神社。1919年,ベルサイユ条約によって,旧ドイツ領の南洋群島は日本の委任統治領となった。ミクロネシア住民はキリスト教の影響下にあったので,当初日本政府は国際連盟への配慮から日本化を強行しなかったが,33年に国際連盟を脱退すると,日本色の強化が始まり,南洋群島の総鎮守としての神社の創建が計画された。40年11月1日,南洋庁があったコロール島のアルミズの丘に,天照大神祭神とする官幣大社南洋神社の社殿が完成し,鎮座式が行われた。その後戦況の悪化で神体は他島に移され,空爆によって社殿は焼滅した。現在同地に石灯籠が残っている。
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