南洋群島(読み)ナンヨウグントウ

デジタル大辞泉 「南洋群島」の意味・読み・例文・類語

なんよう‐ぐんとう〔ナンヤウグンタウ〕【南洋群島】

太平洋西部の赤道以北にある諸島群。マリアナパラオカロリンマーシャル諸島をさし、大部分はもとドイツ領で、第一次大戦後に日本委任統治領となり、第二次大戦後は米国信託統治領。南洋諸島

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精選版 日本国語大辞典 「南洋群島」の意味・読み・例文・類語

なんよう‐ぐんとうナンヤウグンタウ【南洋群島】

  1. なんようしょとう(南洋諸島)
    1. [初出の実例]「南洋群島なる Malay, Java 等にて」(出典:百学連環(1870‐71頃)〈西周〉一)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「南洋群島」の解説

南洋群島
なんようぐんとう

太平洋西部の赤道以北,マリアナ,マーシャル,カロリンの3諸島からなる。スペイン,ドイツの統治をへて,第1次大戦後のベルサイユ条約で日本の国際連盟委任統治領となり,南洋委任統治領とよばれた。南洋庁の下でサイパン,ヤルート,ポナペ,トラック,ヤップ,パラオの6行政地区にわけられた。統治の特色は経済開発にあり,労働力の80~85%まで日本移民に依存。1944年(昭和19)には総人口約12万8000人中,日本人は約7万8000人。原住民人口をこす日本人移民により島社会の近代化や文化変容が急激に進んだ。おもな経済活動は,製糖の南洋興発,商取引の南洋貿易,島民徴用の官営燐(りん)鉱所による。日本は国際連盟脱退後も統治を継続し,海軍戦略基地として利用。太平洋戦争中は激戦地となった島が少なくない。戦後はアメリカに国際連合の信託統治権が委譲されたが,現在は北マリアナ諸島がアメリカの自治領となっているほか,マーシャル諸島共和国・ミクロネシア連邦・パラオ共和国として独立している。

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旺文社日本史事典 三訂版 「南洋群島」の解説

南洋群島
なんようぐんとう

第一次世界大戦後,日本の委任統治領となった赤道以北に散在するマリアナ・パラオ・カロリン・マーシャルの諸群島
第一次世界大戦で日本がドイツより占領。1919年ヴェルサイユ条約で国際連盟から日本の委任統治領となり,南洋庁を設置,さらに南洋拓殖会社を設置して産業開発を行う。その後アメリカに対する軍事拠点として重視されたが,第二次世界大戦後,'47年国際連合の決議によりアメリカの信託統治領となった。現在では北マリアナ連邦マーシャル諸島共和国,ミクロネシア連邦,パラオ共和国として独立している。

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世界大百科事典(旧版)内の南洋群島の言及

【ミクロネシア】より

…マリアナ,カロリン,マーシャルの諸島はヨーロッパ人による発見以来,スペイン,ドイツ,日本そしてアメリカの統治下に置かれてきた。日本は第1次世界大戦中にそれらの島を占領し,戦後は委任統治領の南洋群島として治めた。最盛期には10万人もの日本人が進出し,漁業,鉱業,農業の開発に従事した。…

※「南洋群島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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