日本大百科全書(ニッポニカ)「大隅」の解説
大隅
おおすみ
鹿児島県東部、曽於郡(そおぐん)にあった旧町名(大隅町(ちょう))。現在は曽於市の南部を占める。旧大隅町は1955年(昭和30)岩川町、恒吉(つねよし)村、月野(つきの)村の3町村が合併し、大隅町と改称。旧国名を町名とした。2005年(平成17)財部(たからべ)町、末吉(すえよし)町と合併、市制施行して曽於市となった。旧大隅町は菱田(ひしだ)川上流にあたり、町域の大部分がシラス台地。国道269号、県道が通じ、鹿屋(かのや)、都城(みやこのじょう)、志布志(しぶし)、国分(こくぶ)への交点にある。江戸時代は島津氏の直轄領。明治に入り、岩川に郡役所が設置され、現在も官公庁の出先機関が多い。基幹産業は農業で、とくに肉牛、ブロイラー、ブタなどの畜産が盛んで、家畜改良センターがある。県下三大祭りの一つ弥五郎どん祭(やごろうどんまつり)は、巨大な人形を山車(だし)に乗せて練り歩くもので、毎年11月初旬に岩川八幡神社(いわがわはちまんじんじゃ)で行われる。
[平岡昭利]
『『大隅町誌』(1969・大隅町)』