…金が中世末まで日本の重要な輸出物であったのに対し,銀の産出は乏しく中国より輸入された。平安末以後,記録に南挺,南鐐などとみえるのは,輸入の中国銀で1個50両(1875g)ほどの銀錠が普通であった。16世紀中ごろから急に金銀山が開発され,とくに産銀の増加が著しくなった。…
…同年11月安永と改元)9月に発行の明和二朱銀と,1824年(文政7)2月発行の文政二朱銀とを総称していう。〈南鐐〉は良質の銀を意味しており,江戸時代の南鐐銀貨には上記の2種類のほか文政南鐐一朱銀(1829発行)がある。江戸時代の主要な銀貨は秤量貨幣で,定位貨幣の金貨とは異なるが,南鐐二朱銀は定位貨幣で二朱銀の表面に〈以南鐐八片換小判一両〉と明示され,二朱銀8枚が1両に相当した。…
※「南鐐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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