六訂版 家庭医学大全科 「単純性紫斑」の解説
単純性紫斑
たんじゅんせいしはん
Purpura simplex
(皮膚の病気)
どんな病気か
20代の女性に好発する、四肢とくに下肢の皮膚の表面にできる、しこりのない点状の出血斑です。合併症はありません。春、秋に多く発症する傾向があります。
原因は何か
原因は不明ですが、毛細血管の弱さが関係するものと考えられます。過労や月経の時に悪化しやすいようです。
症状の現れ方
とくに下腿に
検査と診断
出血性素因(血小板数、出血時間、プロトロンビン時間)の検査は正常です。眼で見て診断しますが、他の紫斑病と区別する必要があります。
治療の方法
なるべく安静(激しいスポーツなどはひかえる)にします。時に血管強化薬としてビタミンC剤を内服することがあります。数週間で自然に消えてなくなり、予後のよい疾患ですが、再発しやすいので注意が必要です。
病気に気づいたらどうする
アナフィラクトイド紫斑の軽症型ともいわれています。初期には区別がつかないことがあるので、早めに病院で診察を受けてください。
妹尾 明美
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報