家庭医学館 「単純性股関節炎」の解説
たんじゅんせいこかんせつえん【単純性股関節炎 Transient Synovitis of the Hip, Coxitis Simplex】
5~8歳の子どもで、朝起きたときに急に脚(あし)が痛くて歩けないなど、突然に股関節(股(また)の関節)の痛みがおこります。
かぜをひいた後に、おこることもあります。
[症状]
股関節の痛みがあり、関節を動かすと、とくに痛がります。歩くときは、痛みのために脚をかばって引きずります(跛行(はこう))。
X線写真ではとくに変化がみられませんが、超音波検査によって、関節内に水がたまっている状態を観察できることがあります。
[治療]
股関節の安静を保ち、歩行させなければ、ほとんどの場合、1週間以内に治ります。
消炎鎮痛薬の使用は、ふつう必要としません。
重症で、痛みのために脚を曲げて動かさない場合は、入院のうえ、脚を牽引(けんいん)して痛みが消えた後、徐々に運動を始めます。
関節内に水がたくさんたまっているときは、関節に針を刺し(関節穿刺(かんせつせんし))、注射器で吸い出します。