最新 地学事典 「単純玄武岩系」の解説
たんじゅんげんぶがんけい
単純玄武岩系
simple basalt system
透輝石-苦土かんらん石-かすみ石-石英系は玄武岩のすべての主な鉱物(相)の成分(component)を含んでいるので,この系を単純玄武岩系(ただし,鉄が含まれていない)と呼ぶ。あるいは,玄武岩の分析値からCIPWノルムを計算すると,多くの場合,ノルム鉱物の大部分は単斜輝石-かんらん石-かすみ石-石英系のなかに含まれるので,この系を単純玄武岩系と呼ぶこともある(H.S.Yoder et al.,1962)。後者のほうが利用価値が高く,玄武岩の分類に使われている。すなわち,この四面体をさらに三つの小四面体に分解し,単斜輝石-斜長石-直方輝石-石英四面体(SiO2に過飽和)に入る玄武岩をソレアイト,単斜輝石-斜長石-かんらん石-直方輝石四面体(SiO2に飽和)に入るものをかんらん石ソレアイト,単斜輝石-斜長石-かんらん石-かすみ石四面体(SiO2に不飽和)に入るものをアルカリ玄武岩と分類している。玄武岩質マグマの低圧での結晶作用では,マグマは単斜輝石-斜長石-かんらん石がつくる面を越えて,一方から他方へ移ることはできない。この面を熱障壁(thermal barrier)と呼ぶ。ただし,この熱障壁は高圧下では消滅する。
執筆者:永尾 隆志

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

