博古図(読み)はくこず(その他表記)Bó gǔ tú

改訂新版 世界大百科事典 「博古図」の意味・わかりやすい解説

博古図 (はくこず)
Bó gǔ tú

中国の古代礼楽の器の図録集。30巻。《宣和博古図録》ともいう。北宋の大観元年(1107)に徽宗(きそう)の勅をうけ,宮中や諸家に蔵する古器を集めて《宣和殿博古図》が編纂された。現在に伝わる《博古図》は,その原書に宣和年間(1119-25)以降の増補が加わったものとされる。その中には800余点の青銅器が20に分類して収められ,それぞれの器形の写生寸法重量の記載があるほか,考証も加えられている。その考証には現在から見れば問題も多いが,北宋一代の青銅器の収蔵状況や金石学成果を知りえる点で貴重である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の博古図の言及

【金文】より

…漢代に入ると宮廷の用具や武器などにその物品の所属や重さを記した銘が付けられた遺物が多く残り,また金属鏡の銘文なども広い意味での金文であろうが,西周期に全盛をきわめた青銅祭器の金文の伝統とは流れを異にするものとなってしまったと言えよう。 金文の研究はすでに宋代に始まり,呂大臨の《考古図》や王黼(おうふ)の《博古図》などの図録が編まれており,金石学の一部として清朝の考証学者たちも古文字の研究,あるいは古典の解釈などに金文資料を用いている。しかしその科学的な研究はやはり最近になってからであり,郭沫若《両周金文辞大系》が最初に網羅的な金文の年代づけを行った。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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