卯麦村(読み)うむぎむら

日本歴史地名大系 「卯麦村」の解説

卯麦村
うむぎむら

[現在地名]豊玉町卯麦

仁位にい村の南西にあり、仁位浅海にいあそうの卯麦浦に臨む。北にぬか岳がある。仁位寄りの糠浦で銅矛三本が発掘され(大正五年頃、現在東京国立博物館所蔵)、また地内の盗掘された弥生時代後期の箱式石棺跡から銅剣が採集された(昭和四〇年頃)。ほかに船かくし(海岸段丘)に弥生時代の土器片がみられ、浦の北東の岬の須恵器が散布した地には古墳があったとされる。中世は仁位郡のうちで、上里かみざとに南北朝期末から室町初期の間の建塔と推定される五輪塔(安山岩質凝灰岩製)がある。「海東諸国紀」に「古茂応只浦二百余戸」とあるのが当地とされる。永正三年(一五〇六)「にいのこほりうむきの村」の田・畠・居屋敷が宗弥次郎に譲与され、祖父さなとよ入道が菩提所として建立した当地の「ゑいふくし」の再建や修理の際には、修理亮・弥六の兄弟三人で同心して奔走するよう指示されている(同年四月八日「宗職永書下」馬廻判物帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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