危機神学(読み)キキシンガク

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精選版 日本国語大辞典 「危機神学」の意味・読み・例文・類語

きき‐しんがく【危機神学】

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Theologie der Krisis訳語 ) 第一次世界大戦後、スイス神学者カール=バルトおよびその一派によって始められたキリスト教神学。近代以降の人間中心主義的、進歩主義的文明に奉仕するキリスト教を否定し、神の絶対的超越性の回復を主張する。両大戦の時代のペシミズムを反映し、第二次世界大戦後のヨーロッパ精神界に大きな影響を及ぼした。弁証法神学ともいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「危機神学」の意味・わかりやすい解説

危機神学 (ききしんがく)

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旺文社世界史事典 三訂版 「危機神学」の解説

危機神学
ききしんがく

第一次世界大戦後に起こったバルトやブルンナーらを中心としたプロテスタント神学の思潮
弁証法神学ともいう。神の超越性を説き,理性主義的・自由主義的な神学に反対した。

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世界大百科事典(旧版)内の危機神学の言及

【弁証法神学】より

…第1次世界大戦後,従来の自由主義神学を批判してスイス,ドイツに興った神学運動。〈危機神学Theologie der Krisis〉とも呼ばれる。この運動の中心人物であったK.バルトは,ブルムハルト父子の影響をうけたクッターH.Kutter(1863‐1931)とラガーツL.Ragaz(1868‐1945)とともに宗教社会主義運動に加わっていたが,《ローマ人への手紙》(第2版,1922)においてキルケゴールのいう〈神と人間との絶対の質的差異〉をモットーとし,ドストエフスキーやニーチェからも時代の本質的な危機を学んで,19世紀の文化的キリスト教を激しく非難し,キリスト教の終末論的本質と教会の罪とを明らかにした。…

※「危機神学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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