卵精巣(読み)らんせいそう(その他表記)ovotestis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「卵精巣」の意味・わかりやすい解説

卵精巣
らんせいそう
ovotestis

両性腺,両性巣ともいう。1個の生殖巣で卵と精子をつくるもの。軟体動物腹足類大部分二枚貝類一部でみられる雌雄同体個体の生殖巣。これらの生殖巣は,卵巣精巣独立に存在するのではなく,大部分は雄性先熟で,1つの生殖巣がまず精子をつくり放精後,卵を生じる。またあるものは,同一生殖巣の一部で卵,他の部で精子を生じる。また,哺乳類などの間性で,卵巣の中に精巣組織が混じっている場合に用いることがある。

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世界大百科事典(旧版)内の卵精巣の言及

【卵巣】より

…雌雄異体の動物では雌個体に,雌性生殖腺として存在する。雌雄同体の動物では,精巣とは独立した器官として存在する場合と,両性腺hermaphroditic gland(卵精巣ともいう)として,同一の器官に精巣と共存している場合とがある。両性腺は,軟体動物の腹足類や斧足類,脊椎動物では魚類にその例が認められるが,一般に卵巣機能と精巣機能が同時に発現することはまれで,個体の発達段階に応じて,精巣機能が先に現れ後に卵巣として機能を開始する場合(雄性先熟),逆に卵巣機能が先行して,精巣機能が後から現れる場合(雌性先熟)が多い。…

※「卵精巣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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