去状(読み)さりじょう

百科事典マイペディア 「去状」の意味・わかりやすい解説

去状【さりじょう】

(1)暇(いとま)状,離別状とも。近世に行われた離縁状のこと。3行半に書くのを原則とし,俗に三行半(みくだりはん)ともいう。(2)去文(さりぶみ),避(さり)状とも。支配者命令他者強制,あるいは訴訟敗訴などによって土地家屋諸職などを放棄・譲渡する際の証文

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の去状の言及

【離縁状】より

…〈勝手ニ付〉は離縁状の代表的離婚事由であり,離婚に至ったのは夫のつごうによったこと,いいかえれば妻の所為(責任)ではないことを表示している。離縁状は離別状,去状(さりじよう),暇(いとま)状,隙(ひま)状などといい,また3行半に書かれることが多かったので三行半(みくだりはん)と俗称されたのである。【高木 侃】。…

【離婚】より

…とすれば,ここには,一夫一婦制家族を原則的に守ろうとする幕府の期待がこめられていることがしられるであろう。もっとも,それでも,離婚するときには,夫が妻に去状(さりじよう)(離縁状)を与えることが必要だった。これがないと,その妻はあらたに改嫁=再婚することができないからである。…

※「去状」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android