友敵関係(読み)ゆうてきかんけい(その他表記)Freund-Feind Verhältnis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「友敵関係」の意味・わかりやすい解説

友敵関係
ゆうてきかんけい
Freund-Feind Verhältnis

C.シュミットが『政治的なものの概念』 (1927) において提起した概念。政治の本質は友-敵の対立状況において根源的に表われると彼は考える。近代多元的国家論国家にとっての敵を明確に定義できないために問題の決定を遅らせていることを批判しつつ,彼はワイマール時代のドイツの政治的混乱を解決するためには国家にとっての真の敵,つまり共産主義勢力の一掃が必要であると説いた。彼にとって政治の本質は例外状況である戦争に現れるのである。この概念はナチズム思想に受継がれ,やがてはヒトラー独裁を正当化する根拠にもなった。

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