取り出づ(読み)トリイズ

デジタル大辞泉 「取り出づ」の意味・読み・例文・類語

とり‐い・ず〔‐いづ〕【取り出づ】

[動ダ下二]
取り出す。
御衣を―・でて着せむとす」〈竹取
うまく引き出す。引き起こす。
「思ひがけぬ幸ひ―・づるためしども多かりかし」〈帚木

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取り出づ」の意味・読み・例文・類語

とり‐い・ず‥いづ【取出】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙
    1. とりいだす(取出)
      1. [初出の実例]「文を書きおきてまからん。恋しからん折々、取いでて見給へ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. とりいだす(取出)
      1. [初出の実例]「白樫といふものは〈略〉をかしきこと、めでたきことにとりいづべくもあらねど」(出典:枕草子(10C終)四〇)
    3. 引きいだす。事を引きおこす。
      1. [初出の実例]「思ひかけぬさいはひ、とりいづる例ども、多かりかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙
    1. 勢いよく出発する。いでたつ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    2. 暮らし向きなどが向上する。気持調子づく。
      1. [初出の実例]「此跡取、金銀有に任て少し取出、手掛者を聞立」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)五)

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