デジタル大辞泉 「取合う」の意味・読み・例文・類語 とり‐あ・う〔‐あふ〕【取(り)合う】 [動ワ五(ハ四)]1 一つのものを取ろうとして争う。奪い合う。「遺産を―・う」2 (多くあとに打消しの語を伴って用いる)相手になる。かかわり合う。「笑って―・わない」「―・う価値がない」3 (「手を取り合う」の形で)互いの手をしっかり持つ。「手を―・って歩く」4 調和する。つり合う。「これはこちらの道具とは―・はぬものぢゃが」〈虎寛狂・子盗人〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「取合う」の意味・読み・例文・類語 とり‐あ・う‥あふ【取合】 [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙① 相手になる。争う。かかわり合う。[初出の実例]「斯る大社の訴詔に取合ふて、神訴を得、呪咀を負ひけるも」(出典:太平記(14C後)三九)② 釣り合う。調和する。しっくりする。また、俳諧などで、付合(つけあい)がうまくゆく。[初出の実例]「人の御めには、とりあはぬ御なみだぞ、つづきこぼれぬる」(出典:有明の別(12C後)一)③ 出合う。遭遇する。でくわす。ぶつかる。[初出の実例]「立合なんどに、自然女時にとりあひたらば」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)七)[ 2 ] 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙① 互いに先を争って取る。うばいあう。[初出の実例]「我も我もと〈略〉几丁どもとりあへる人見あへれど」(出典:讚岐典侍(1108頃)下)② くらべる。比較する。対照する。[初出の実例]「地脉と取合、不断と様子の替る者あらば、いつわりなく申さるべしと」(出典:浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五)③ ( 「手をとりあう」の形で ) 離れないよう互いの手を持つ。手をにぎり合う。[初出の実例]「やうやう二人手を取合、門口迄そっと出」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例