取替兵衛(読み)とっかえべえ

精選版 日本国語大辞典 「取替兵衛」の意味・読み・例文・類語

とっかえ‐べえ とっかへ‥【取替兵衛ベヱ

〘名〙
江戸時代、「とっかえべえ」と呼び歩いて、鍋・釜・キセル・折れ釘などの古金属を飴と交換した飴売り行商人。正徳年間(一七一一‐一六)に、江戸浅草田原町紀の国屋善右衛門が紀州道成寺の僧のために、飴と金とを取り替えて同寺の鐘を建立しようとしたのが初め。とりかえべえ。
洒落本・当世爰かしこ(1776)「やかんくびのかたまりにして取替(トッカヘ)兵衛もおそれをなし」
② 転じて、交換すること。取替え。
※雑俳・柳多留‐二三(1789)「いけぬ晩女郎とっけへべへにされ」

とりかえ‐べえ とりかへ‥【取替兵衛ベヱ

※狂歌・飲食狂歌合(1815)「飴売のあふこもあらばいのちにもとりかへべいとおもふばかりぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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