日本大百科全書(ニッポニカ) 「受注生産」の意味・わかりやすい解説
受注生産
じゅちゅうせいさん
job order production
顧客の注文を受けて生産する方式をいい、市場の需要を予想して生産する見込み生産と対比される。洋服の仕立てから建築、造船に至るまで、大小さまざまな製品について行われるが、受注生産では1個だけ生産する個別生産が主で、せいぜい同一のものを少数生産する小ロット生産にとどまる。そのため、顧客の意向は製品に十分反映されるが、反面、コストが高くなる。この欠点を除こうとすると、既製服、プレハブ住宅、標準化船のような見込み生産への移行が現れてくる。一般に、経営的生産の原点は受注生産であり、見込み生産への移行をもって生産の高度化とみなす。
[森本三男]