口占(読み)くちうら

精選版 日本国語大辞典 「口占」の意味・読み・例文・類語

くち‐うら【口占・口裏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人の言葉の様子から吉凶を占うこと。
    1. [初出の実例]「源氏追討の宣命に源繁昌の口占(クチウラ)有とぞ」(出典源平盛衰記(14C前)二七)
  3. 言葉や、話しぶりに隠されているもの。また、それから話し手心中を察すること。
    1. [初出の実例]「くちうらをまへにきかれ候つれとも、ついに同心なく候也」(出典:北野天満宮目代日記‐天正一二年(1584)一〇月八日)
    2. 「その口裏(クチウラ)から東京の人達の心持ちも大体は判る」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉後)
  4. 小声で言うこと。つぶやくこと。
    1. [初出の実例]「余寒甚。向柴火口占曰」(出典:空華日用工夫略集‐永徳元年(1381)三月一二日)

こう‐せん【口占】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 口ずさむこと。また、詩文などを即席に口ずさむこと。
    1. [初出の実例]「有偈口占曰」(出典:空華日用工夫略集‐至徳三年(1386)七月一六日)
  3. 文書などを用いないで、口頭で、人に伝えること。〔漢書‐陳遵伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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