口塞(読み)くちふさぎ

精選版 日本国語大辞典 「口塞」の意味・読み・例文・類語

くち‐ふさぎ【口塞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 口をふさぐこと。しゃべらないようにすること。特に、非難文句などを言わせないようにすること。くちどめ。くちふさげ。くちふたぎ。くちふたげ。
    1. [初出の実例]「おやにせめられて口(クチ)ふさぎに学文する人もあり」(出典仮名草子清水物語(1638)上)
  3. 空腹しのぎに口に入れる軽い食事や菓子の類。また、客に出す料理などをへりくだっていうこともある。くちふさげ。
    1. [初出の実例]「此たかつきはちょっくり客人の口ふさぎと見へたり」(出典:洒落本・傾城買談客物語(1799)一)

くち‐ふさげ【口塞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. くちふさぎ(口塞)
    1. [初出の実例]「我も益なき事に死するとはしりながら、人の口ふさげばかりに一命をすてん」(出典:仮名草子・智恵鑑(1660)七)
  3. くちふさぎ(口塞)
    1. [初出の実例]「是からは退屈な道だから些(ちっ)と口塞(クチフサ)げがなけりゃアならねへ」(出典:滑稽本箱根草(1844‐46)初)

くち‐ふたげ【口塞】

  1. 〘 名詞 〙くちふさぎ(口塞)
    1. [初出の実例]「例の事よ。さりとて、病したる理(ことわり)なれば、くちふたげ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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