口蓋化(読み)コウガイカ(その他表記)palatalization

デジタル大辞泉 「口蓋化」の意味・読み・例文・類語

こうがい‐か〔‐クワ〕【口蓋化】

音声学用語。[i]のような前舌母音あるいはこれに類する[j]に近接する音が同化されて、前舌面が硬口蓋に近づく現象。キ[ki]の舌の位置がカ[ka]よりも前であることや、歴史的にタ行のチが[ti]から[tʃi]に変化したのがその一例

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精選版 日本国語大辞典 「口蓋化」の意味・読み・例文・類語

こうがい‐か‥クヮ【口蓋化】

  1. 〘 名詞 〙 音声学で、[i]のような前舌の母音あるいはこれに類する[j]に近接する音が同化されて、前舌面が硬口蓋に近づく現象。キ[ki]の舌の位置がカ[ka]よりも前であることなど。また、タ行のチが[ti]から[tʃi]に変化したことなど、歴史的にそのように変化することをもさす。〔国語学概論(1909)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「口蓋化」の意味・わかりやすい解説

口蓋化
こうがいか
palatalization

硬口蓋音以外の音が前舌面が硬口蓋に向って盛上がり[i][j]の音色を帯びること。国際音声字母では,[ƫ]のように左向きのカギをつけるか,[tj]のように[j]を添えて表わす。[ ]のように上に点をつける方式,[ ]のように[´]を使う方式などもある。日本語におけるイ列音の子音は,すべて口蓋化している。また,この共時的現象のほかに,[tj]→[t∫],[kj]→[c]などの通時的変化も口蓋化という。

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