古今役者論語魁(読み)ここんやくしゃろんごさきがけ

改訂新版 世界大百科事典 「古今役者論語魁」の意味・わかりやすい解説

古今役者論語魁 (ここんやくしゃろんごさきがけ)

歌舞伎役者の評判および芸談集。近仁斎薪翁撰。1772年(安永1)正月刊。2巻。元禄歌舞伎の上方役者の逸話,芸談を集めた《耳塵集》に対し,享保以来,江戸で活躍した名人・上手の言行を記録したもの。上巻には,評判記の位の付け方,立役,親仁方,実悪,敵役,若女方,若衆方,それに所作事の名人に関する話,江戸の見物の性格,《仮名手本忠臣蔵》の由来と大星由良助の評判を収録。下巻には,初世沢村宗十郎,初世瀬川菊之丞,2世市川団十郎の芸談を中心に,初世団十郎,中村七三郎山中平九郎,姉川新四郎,坂東彦三郎,市川宗三郎,松嶋茂平治,初世・2世の大谷広次,8世市村羽左衛門の芸談と,初世中村伝七,2世津打治兵衛の作劇談が収められている。なかでも,宗十郎の芸談24ヵ条は《訥子口伝》,また,菊之丞の芸談10ヵ条は《女方秘伝》として知られている。《近世芸道論》に収録。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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