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古川聡 ふるかわさとし

知恵蔵の解説

古川聡

独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士。1964年4月4日生まれ、神奈川県横浜市出身。医師でもあるが、国際宇宙ステーション(ISS)第28次/第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命され、2011年6月から11月まで、往復を含めて宇宙に167日間にわたり滞在した。2011年現在、日本人では野口聡一宇宙飛行士(ISS第22次/第23次長期滞在)の163日間を抜いて、宇宙滞在の最長記録となっている。
古川宇宙飛行士は、東京大学医学部を卒業後、麻酔科、外科の医師として勤務していた。1999年に宇宙開発事業団(NASDA)(現在はJAXAに改組)により、宇宙飛行士の候補者として選定され、ISS搭乗宇宙飛行士の基礎訓練に参加、2001年に宇宙飛行士として認定された。以降、ISS 搭乗宇宙飛行士のアドバンスト訓練に参加し、04年にはソユーズTMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得。06年には搭乗運用技術者(ミッションスペシャリスト)として認定され、野口宇宙飛行士の、長期滞在時のバックアップクルーにも任命されていた。11年の長期滞在が初飛行である。
幼稚園の時のアポロ11号の月着陸中継や、小学生時代に見たテレビ番組の「ウルトラセブン」などから宇宙への強い興味を抱いた。後に医学の道に進んだが、日本人宇宙飛行士募集の報に接して、宇宙への志やみがたく応募に踏み切ったという。宇宙滞在中には、ISSの日本実験棟である「きぼう」の管理を行うとともに、医師のキャリアを生かして自らの体で人体に宇宙生活が与える影響について調べたり、難病の新薬開発を目指すたんぱく質の結晶を作成したり、数多くの生命科学実験などに精力的に取り組んだ。また、地上との交信イベントで東日本大震災の被災者らにエールを送ったり、ツイッターで情報発信したりといった活動も注目を集めた。帰還後の記者会見では、「空気が冷たく新鮮。お風呂に入りたい」と笑顔で答えた。ソフトバンクのCMでは、「お父さん犬」の次郎たち一行と会話するシーンに宇宙から出演し話題になった。

(金谷俊秀  ライター / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

古川聡 ふるかわ-さとし

1964- 平成時代の医師,宇宙飛行士。
昭和39年4月4日生まれ。平成元年東大医学部附属病院第1外科学教室勤務。11年宇宙開発事業団:NASDA(現・宇宙航空研究開発機構:JAXA)より国際宇宙ステーション:ISSに搭乗する宇宙飛行士の候補者となる。13年宇宙飛行士として認定,18年ソユーズ-TMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得。18年NASA搭乗運用技術者(ミッションスペシャリスト:MS)に認定される。20年ISS第28次-第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命され,23年ソユーズ宇宙船で宇宙にむかい,日本人最長の167日滞在して宇宙生活の人体に与える影響などを調査した。神奈川県出身。東大卒。

出典|講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて | 情報 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古川聡
ふるかわさとし
(1964― )

宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))所属の宇宙飛行士。神奈川県横浜市生まれ。1989年(平成1)、東京大学医学部医学科卒業。1989年から東京大学医学部附属病院第1外科学教室に所属。1994年まで病院の麻酔科、外科に勤務し、消化器外科の臨床および研究に従事した。2000年(平成12)に同大学において医学博士の学位を取得。1999年2月、宇宙開発事業団(NASDA(ナスダ)。現、JAXA)より国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として、星出彰彦(ほしであきひこ)、山崎直子{やまざきなおこ}(旧姓、角野(すみの))とともに選ばれる。1999年4月からNASDAが実施する日本人ISS搭乗宇宙飛行士の基礎訓練に参加し、2001年1月、宇宙飛行士として認定される。同年4月からISS参加機関の国際協力のもとに実施されるISS搭乗宇宙飛行士のアドバンスト訓練に参加。ISSに取り付けられる日本実験棟「きぼう」の開発・運用にかかわる技術支援業務などを実施した。2004年5月、ソユーズTMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得。同年6月よりNASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者、MS)候補者訓練に参加し、2006年2月にMSとして認定される。2011年6~11月、第28次・第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに165日間滞在。滞在中は「きぼう」での実験やISSの維持管理を行ったほか、最後のスペースシャトルミッションとなった補給物資運搬の支援などを実施。打上げ、帰還ともにソユーズTMA-02M宇宙船(27S)に搭乗した。
 2013年12月、第20回アジア・太平洋地域宇宙機関会議に参加。2015年10月、自身が代表を務める新学術領域研究チーム「宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解」(略称「宇宙に生きる」)が発足した。[山本将史]
『古川聡・林公代・毎日新聞科学環境部著『宇宙へ「出張」してきます――古川聡のISS勤務167日』(2012・毎日新聞社)』

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