古川聡(読み)ふるかわさとし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「古川聡」の意味・わかりやすい解説

古川聡
ふるかわさとし
(1964― )

宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))所属の宇宙飛行士。神奈川県横浜市生まれ。1989年(平成1)、東京大学医学部医学科卒業。1989年から東京大学医学部附属病院第1外科学教室に所属。1994年まで病院の麻酔科、外科に勤務し、消化器外科の臨床および研究に従事した。2000年(平成12)に同大学において医学博士学位を取得。1999年2月、宇宙開発事業団(NASDA(ナスダ)。現、JAXA)より国際宇宙ステーションISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として、星出彰彦(ほしであきひこ)、山崎直子(やまざきなおこ)(旧姓角野(すみの))とともに選ばれる。1999年4月からNASDAが実施する日本人ISS搭乗宇宙飛行士の基礎訓練に参加し、2001年1月、宇宙飛行士として認定される。同年4月からISS参加機関の国際協力のもとに実施されるISS搭乗宇宙飛行士のアドバンスト訓練に参加。ISSに取り付けられる日本実験棟「きぼう」の開発・運用にかかわる技術支援業務などを実施した。2004年5月、ソユーズTMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得。同年6月よりNASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者、MS)候補者訓練に参加し、2006年2月にMSとして認定される。2011年6~11月、第28次・第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに165日間滞在。滞在中は「きぼう」での実験やISSの維持管理を行ったほか、最後のスペースシャトルミッションとなった補給物資運搬の支援などを実施。打上げ、帰還ともにソユーズTMA-02M宇宙船(27S)に搭乗した。

 2013年12月、第20回アジア・太平洋地域宇宙機関会議に参加。2015年10月、自身が代表を務める新学術領域研究チーム「宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解」(略称「宇宙に生きる」)が発足した。2014年4月から2021年(令和3)3月まで、JAXA宇宙医学生物学研究グループの長として、宇宙医学研究を推進した。2023年打上げ予定のISS長期滞在ミッションの搭乗が決まっている。

[山本将史 2022年7月21日]

『古川聡・林公代・毎日新聞科学環境部著『宇宙へ「出張」してきます――古川聡のISS勤務167日』(2012・毎日新聞社)』

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関連語 毎日新聞社

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「古川聡」の解説

古川聡 ふるかわ-さとし

1964- 平成時代の医師,宇宙飛行士。
昭和39年4月4日生まれ。平成元年東大医学部附属病院第1外科学教室勤務。11年宇宙開発事業団:NASDA(現・宇宙航空研究開発機構:JAXA)より国際宇宙ステーション:ISSに搭乗する宇宙飛行士の候補者となる。13年宇宙飛行士として認定,18年ソユーズ-TMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得。18年NASA搭乗運用技術者(ミッションスペシャリスト:MS)に認定される。20年ISS第28次-第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命され,23年ソユーズ宇宙船で宇宙にむかい,日本人最長の167日滞在して宇宙生活の人体に与える影響などを調査した。神奈川県出身。東大卒。

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