朝日日本歴史人物事典 「古賀辰四郎」の解説
古賀辰四郎
生年:安政3.1.18(1856.2.23)
尖閣諸島の開拓者。福島県の生まれ。明治12(1879)年沖縄に渡って古賀商店を開設し,夜光貝や羽毛を扱った。同29年に尖閣諸島の開拓認可を受けると,ただちに開発事業に着手した。住宅や水タンクを建設し,出稼ぎ者50人を送り込んだ。羽毛の採取,フカヒレ・鰹節の製造,燐の採掘など多彩な事業を展開した。後年,尖閣での事業を撤収したため同諸島は再び無人島となる。中国との間で取り沙汰されている尖閣諸島領有権問題において,日本側は古賀の事業を根拠にその実効的支配を主張している。<参考文献>西里喜行『近代沖縄の寄留商人』
(高良倉吉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報