古飯村(読み)ふるえむら

日本歴史地名大系 「古飯村」の解説

古飯村
ふるえむら

[現在地名]小郡市古飯

大刀洗たちあらい川支流の石原いしはら川が流れる。北は下岩田しもいわた村。南北に薩摩街道(松崎街道)が通る。中世板井いたい庄のうちで、貞和七年(観応二年、一三五一)二月一八日の杉原光房奉書(修学院文書/南北朝遺文(九州編)三)によれば、「□井庄古飯村」の古飯次郎資信跡の地頭職が前年一二月二八日足利直冬により修学しゆうがく(現佐賀県東脊振村)に寄進されている。古飯氏は弘安九年(一二八六)閏一二月二八日の蒙古合戦并岩門合戦勲功地配分注文(比志島文書/鎌倉遺文二一)に古飯三郎兵衛入道・同次郎資景がみえ、前年の岩門合戦で勲功のあった鎌倉御家人であった。建武四年(一三三七)古飯諸次郎入道妻尼了一跡の肥前国神辺こうのえ庄松吉名(現佐賀県鳥栖市)の田地二〇町の地頭職が後藤朝明に勲功の賞として宛行われているので(同年九月一一日「一色道猷宛行状」後藤文書/南北朝遺文(九州編)一)、古飯氏は南朝方であったらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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